静岡、沼津、三島、函南のこころねセラピーの創始者:秋山幸徳と申します。
私はこれまで、多くの頑張り屋の女性たちと向き合ってきました。中でも忘れられないのが、ある50代のクライアントさんの言葉です。彼女はキャリアも家庭も完璧にこなす方でしたが、ある日、診察室で小さく呟きました。
「秋山さん。私、毎日鏡を見て『まだ大丈夫』って言ってるんですけど、もうダメみたいです。無理して笑う自分の顔を見るのが、一番辛いんです」
その言葉は、まさにあなたが今、心の中で感じている悲鳴ではないでしょうか?
家族のため、仕事のため、誰かのために尽くし続ける中で、あなたは**自分の心の疲れを誰にも見せない「プロ」**になってしまいました。心の疲れは目に見えないからこそ、「私は心が弱いのかしら」「みんなもっと頑張っているのに」と、**自分自身を責めてしまうことが、回復を最も妨げる“見えない壁(スティグマ)”**になっているのです。
今日、私はセラピストとして、あなたがその重荷をそっと下ろし、**「もう大丈夫、休んでいいよ」**と心から安心できるための、専門家としての知見に基づいた「心の休憩」の取り方をお伝えします。
「私が倒れたら、どうなるの?」過度な責任感から解放されるために
あなたが休めない最大の理由は、「私が完璧にやらなければ、すべてが止まってしまう」という過度な責任感です。中高年女性は、家庭や職場の「要」にいることが多く、自分が休むことで全体が機能不全に陥るという根拠のない恐怖に囚われがちです。
あなたは「心の強い人」なのではなく、ただ限界を無視して走り続けている、極めて真面目な人なのです。この「心の呪縛」を解くための具体的なヒントを三つ提案します。
1. 「責任の軽量化」を意図的に練習する
あなたが抱えるタスクを、意識的に周りに預ける練習をしましょう。休憩は「ご褒美」ではなく、「必須の自己管理」です。
- 80点合格ラインの設定: 家事も仕事も「完璧な100点」を目指すのをやめ、「80点で十分」と心の中で宣言します。
- 「助けを求める」を賢い手段と捉える: 週に一つでいいので、家族や同僚に具体的にお願いする項目をリストアップし、実行に移してください。「誰かに頼る」ことは、無責任ではなく、全体を持続させるための賢明な戦略です。
2. 心の非常ベルを「賢い自己管理」として受け止める
心の不調を「気のせい」と自己診断で打ち消し、「私がおかしい」と孤立してしまう必要はありません。風邪と同じように、心も休息を求めてサインを出しています。これは「病気」ではなく、体が起こしている**「やり方を変えて」というメッセージ**です。
| 心と体の「非常ベル」 | セラピストからの対処法(実用的ヒント) |
|---|---|
| 夜、何度も目が覚める | **寝る前の「頭の棚卸し」**を習慣に。考えていることを紙に全て書き出し、「これは明日のタスク」として手放してから寝る。 |
| 急に涙が出る、イライラが抑えられない | 感情の波に乗らない。イラッとしたらその場を離れ、深呼吸を3回。感情を否定せず、「これは私の疲れから来ている」と客観視する訓練をする。 |
| 食欲がない、または食べ過ぎてしまう | 食事を「義務」ではなく**「燃料補給」**と捉える。栄養補助食品も活用し、まずは「栄養不足」を防ぐことを最優先する。 |
「根性」は、あなたの心を回復させません
あなたの不調は、決して「心が弱い」からではありません。むしろその逆で、真面目で、感受性が高く、人の気持ちを深く察する優しさを持っているからです。
周りの期待に応えようとしすぎた結果、自分の感情を後回しにし、脳のエネルギーが枯渇してしまった状態が、今の「心がボロボロ」な状態です。体と同じく、心もエネルギーが底をつけば動きません。
心の回復に必要なのは、**「弱さを克服すること」ではなく、「自分に優しくする許可」**を出すことです。
「今日はもう休んでいい」「完璧でなくても大丈夫」「私は十分頑張った」
この言葉を、鏡の中の自分に、優しく語りかけてみてください。
あなたには「自分を大切にする力」を取り戻す権利があります
人生の過渡期にいる誰もが、心が立ち止まる瞬間を経験します。メンタルヘルスの問題は、特別な人だけのものではありません。
「心がボロボロ」だと気づいた、その瞬間が、実は回復の第一歩です。その声に耳を傾けることは、「弱さ」ではなく、**「自分を大切にする力を取り戻すこと」**につながる、最も力強い行動です。
もし、今、その重荷が限界だと感じたら、どうか一人で抱え込まないでください。
こころねセラピーは、あなたの頑張りを否定せず、「頑張りすぎたね」と優しく受けとめるための場所です。無理に過去を掘り起こしたり、分析したりする必要はありません。
**あなたは、休んでも、弱音を吐いても、何一つ悪くありません。**このことを心に刻み、勇気を持って、小さな一歩を踏み出せるよう、私が全力でサポートさせていただきます。

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