多くの人はこう思っています。
「嫌な出来事は“過去の記憶”として頭の中に保存されているだけ」
でも、強い恐怖や衝撃を伴う体験は、普通の思い出とは保存のされ方が違います。
通常の記憶はどう保存されるのか?
たとえば旅行の思い出。
・いつ行ったのか
・誰といたのか
・どんな天気だったのか
こうした情報は、脳の“海馬”という部分が整理します。
海馬の役割は、
「これは○年○月ごろの出来事」
と“時間のラベル”をつけることです。
だから思い出しても、私たちはこう感じます。
「懐かしいな」
「昔のことだな」
体はあまり強く反応しません。
トラウマ体験のとき、脳では何が起きるのか
ところが、命の危険を感じるほどの恐怖や、強いショックを受けたとき。
脳の“扁桃体”という危険センサーがフル稼働します。
扁桃体はこう判断します。
「これは生存に関わる重大事件だ」
すると体は戦闘モードに入り、
・心拍上昇
・筋肉の緊張
・呼吸の変化
・ストレスホルモン大量分泌
が起こります。
このとき問題になるのが、海馬の働きです。
強すぎるストレス状態では、
海馬の“時間整理機能”が弱まってしまいます。
何が起きるのか?
結果として、その出来事は
「過去の出来事」としてではなく、
“時間タグのない危険データ”として保存されます。
つまり脳の中では、こうなります。
× 「あれはもう終わった出来事」
○ 「あれは今も起こりうる危険」
ここが決定的な違いです。
なぜ思い出すと体が反応するのか
似た状況や、似た雰囲気や、似た言葉に触れたとき。
脳は「思い出している」のではありません。
危険データが再起動しているのです。
その瞬間、体はこう判断します。
「また起きた」
だから
・心臓がバクバクする
・体が固まる
・涙が出る
・怒りが爆発する
これは“感情的”なのではなく、
神経回路がそう設計されているから起きる現象です。
これが「時間固定」
トラウマとは、
出来事そのものよりも、
“脳がその時間から抜けられなくなる現象”
と考えるとわかりやすいです。
あなたの人生は進んでいるのに、
脳の一部だけがその瞬間に立ち止まっている。
だから
「もう終わったはずなのに、終わっていない感覚」
が生まれます。
重要なこと
これは意志の弱さではありません。
あなたが引きずっているのではなく、
脳が“まだ現在扱いしている”だけなのです。
カウンセリングや安心できる環境での再体験を通じて、
脳の配線は少しずつ書き換えることができます。
静岡・沼津・三島・函南のこころねセラピー:秋山幸徳


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