孤独に慣れてしまった私たちへ
静岡・沼津・三島・函南のこころねセラピー:秋山幸徳
1. イントロダクション:
「誰とも、本当にはつながれていない」と感じるあなたへ
人に囲まれているはずなのに、どこかひとりぼっち。
家族がいても、職場にいても、「本当の自分」は誰にも見せられていない気がする。
そんな感覚を、長いあいだ抱えてきた方も多いのではないでしょうか。
それは、あなたが弱いからではありません。
現代を生きる私たちの多くが、知らず知らずのうちに抱えてしまった
「世界から切り離されているような感覚」なのです。
私たちはふだん、「愛」を
・うれしい気持ち
・好きという感情
・相手次第で揺れ動くもの
として考えがちです。
でも、もし愛がそれだけではなかったとしたら?
もし愛が、
バラバラになりかけた心や人間関係を、もう一度つなぎ直す力
だとしたら──。
今日は、そんな少し違う角度から「愛」を見てみたいと思います。
2. 昔の人は知っていた
「愛は、壊れたものをつなぐ力」だということ
今から2500年ほど前、古代ギリシャの哲学者エンペドクレスは、
とてもシンプルな考え方をしていました。
この世界には、二つの力がある。
- バラバラに引き裂こうとする力
- もう一度、結び合わせようとする力
彼は後者を「愛」と呼びました。
世界は、もともと整っているわけではなく、
放っておくと壊れ、散らばっていく。
だからこそ、
「混ざり合い、調和させる力」が必要なのだ、と。
彼の考えでは、昔の世界には
手や足だけ、顔だけ、といった「未完成な存在」が漂っていて、
それらが結びついたとき、はじめて「生命」になったそうです。
少し不思議な話に聞こえるかもしれません。
でもこれ、私たちの心にもよく似ていませんか?
- 感情だけが先走る
- 頭では分かっているのに、心がついてこない
- 体だけが無理をしている
そんなバラバラな状態を、
もう一度ひとつに戻す力。
それを、昔の人は「愛」と呼んだのです。
3. つながると、個性がなくなる?
いいえ、逆です
「誰かと深く関わると、自分を失いそうで怖い」
そう感じたことはありませんか?
実は20世紀の思想家テイヤール・ド・シャルダンは、
こんな逆のことを言いました。
本当の結びつきは、人を同じにするのではなく、
その人らしさを、よりはっきりさせる
無理に合わせる関係
我慢して成り立つ関係
それは「結合」ではなく、「押しつぶし合い」です。
愛によるつながりは、
相手を消すことでも、自分を削ることでもありません。
むしろ、
安心してつながれるからこそ、自分でいられる
そんな関係です。
「誰かと一緒にいるのに、ほっとする」
それが、愛が働いているサインなのかもしれません。
4. 体はもう知っている
安心すると、心拍までそろうという事実
最近の研究では、
親しい人どうしは、自然と
- 呼吸
- 心拍
- 脳の働き
までが、少しずつそろってくることが分かっています。
その中心にあるのが、
オキシトシンというホルモンです。
これは「愛情ホルモン」とも呼ばれ、
安心感や信頼感を生み出します。
誰かと一緒にいて、
- 緊張がほどける
- 呼吸が深くなる
- 体が温かくなる
それは気のせいではありません。
体のレベルで、
「私はひとりじゃない」と感じている証拠なのです。
愛は、気持ちの問題だけではなく、
体を守る仕組みでもあるのです。
5. 「最初から、つながっていた」としたら
物理学の世界では、
遠く離れたもの同士が、見えないところで影響し合う
という考え方があります。
難しい理論は置いておいて、
ここで大切なのは、この感覚です。
私たちは、もともと完全に切り離された存在ではない
「分かり合えない」
「どうせ伝わらない」
そう感じるときほど、
実は深いところで、つながりを求めているのかもしれません。
愛とは、
新しく何かを作ることではなく、
「もう一度、思い出すこと」。
私は、ここにいていい
あなたも、ここにいていい
その感覚を取り戻すことなのです。
6. 愛は、才能ではなく「練習できるもの」
心理学者エーリッヒ・フロムは言いました。
愛は、偶然起こるものではなく、
**身につけていく“技術”**だと。
彼が挙げた、成熟した愛の要素は4つです。
- 相手を気にかけること
- 相手の声に、ちゃんと応えること
- 相手を思い通りにしようとしないこと
- 相手を知ろうとすること
どれも、特別な人だけができることではありません。
そしてこれは、
他人のためだけの話ではありません。
自分の心や体に対しても、
同じことが言えるのです。
7. 結論:
あなたが誰かを大切に思うことは、無駄じゃない
愛とは、
疲れ切った世界を、もう一度まとめ直す力。
がんばり続けて、
傷ついて、
それでも誰かを思ってきたあなたの心は、
ちゃんと世界に作用しています。
もし今日、
誰かに少しやさしくできたなら
自分に少し休ませてあげられたなら
それは、小さくても確かな
**「つながりを取り戻す行為」**です。
愛は、壮大な言葉で語られるものではありません。
日常の中で、静かに使える力です。
さて、あなたに問いかけさせてください。
もし、あなたの思いやりが
この世界をほんの少し安定させているとしたら。
明日、
あなたは誰に、どんなふうに接してみたいですか


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