――こころねセラピー・セラピストの視点から
人生は生成の過程であり、
そこには私たちが経なければならない様々な状態がある。
そして、人が本当に行き詰まるのは、
「ある状態にとどまりたい」と願ったとき。
それは、ある種の“死”である。
今日は、この言葉を
「他人軸に疲れ、自分軸で生きたいけれど方法がわからない」
そんなあなたに向けてお話しします。
1. あなたが止まりたくなる理由
これまであなたは、
・家族の期待に応え
・職場で役割を果たし
・周囲の空気を読み
・「いい人」であり続けてきた
その努力の積み重ねの中で、
いつの間にか「本当の自分」は後回しになった。
慢性的な痛みを抱えている方に共通するのは、
「変化し続けることへの疲労」です。
もう変わりたくない。
もう頑張りたくない。
せめて今の形のままで、少し安心したい。
その気持ちは、とても自然です。
しかし――
人生は“静止”ではなく“生成”です。
2. 「生成」とは何か
心理学では、人間は固定的存在ではなく、
常に再構築される存在だと考えられています。
例えば、発達心理学の大家である
エリク・エリクソンは、
人生を段階的な「課題の連続」と捉えました。
私たちは、
青年期、壮年期、老年期ごとに
異なる心理的テーマを通過していきます。
つまり――
「今のままで完成」することはないのです。
にもかかわらず、私たちはこう願います。
・この役割のままでいたい
・この関係性を壊したくない
・この評価を失いたくない
ここで止まれば安心できる、と。
ですが、生成を拒んだ瞬間、
心は硬直します。
慢性痛の臨床現場で私が見るのは、
まさにこの“内的硬直”です。
3. 状態にしがみつくと痛みが生まれる理由
あなたの身体は、変化を前提にできています。
細胞は入れ替わり、
神経回路は再編成され、
ホルモンバランスも常に揺れています。
それなのに、
「私はこの役割のままでいたい」
「私は我慢する人でいなければならない」
と、心だけが止まろうとするとどうなるか。
内側に“摩擦”が生まれます。
この摩擦は、
・筋緊張
・呼吸の浅さ
・自律神経の過緊張
という形で現れます。
そして慢性痛は、
その“止まりたい心”の信号であることが多いのです。
4. ある状態に留まることは、なぜ「死」なのか
ここで言う「死」とは肉体的な意味ではありません。
生成を止めること=心理的な停滞です。
スピリチュアルな視点で言えば、
生命とは流れです。
東洋思想では、
存在は固定物ではなくプロセスと考えます。
仏教の「無常」もその一つです。
全ては移ろう。
にもかかわらず、
私たちは「安心できた過去」に留まりたがる。
しかし、
そこに居続けることはできません。
止まろうとするほど、
心は苦しくなる。
それが“ある種の死”なのです。
5. 自分軸とは「固定」ではなく「更新」
ここで誤解が生まれやすいのですが、
自分軸とは“確固たる固定信念”ではありません。
自分軸とは、
「今この瞬間の自分を更新し続ける勇気」
です。
他人軸とは、
過去の評価や他者の期待に自分を固定すること。
自分軸とは、
その都度問い直すこと。
・今、本当にそれを望んでいるか
・今の私に合っているか
・これは恐れからの選択ではないか
生成のプロセスに身を置くこと。
それが自分軸です。
6. 慢性痛と生成の関係
長年慢性痛を抱える方は、
身体も心も「守り」に入っています。
守ること自体は悪くありません。
けれど、守りが長期化すると、
身体は「変化=危険」と学習します。
こころねセラピーでは、
痛みを「敵」ではなく
“止まってしまった生成のサイン”として見ます。
痛みはあなたに問いかけています。
「あなたはどこで止まっていますか?」
それは役割かもしれない。
信念かもしれない。
家族との関係かもしれない。
7. では、どうすればいいのか
いきなり大きな変化は必要ありません。
生成は、小さな更新の積み重ねです。
・本音を1行書く
・断れなかったことを1つ断る
・痛みを“悪者”扱いしない
そして何より大切なのは、
「止まりたい自分」を否定しないこと。
止まりたいほど、あなたは疲れてきた。
だからまずは、
「私は止まりたかったんだ」と認める。
そこから生成は再開します。
8. あなたは未完成でいい
未完成は、欠陥ではありません。
未完成だからこそ、生成できる。
他人軸に疲れたあなたが感じている虚無感は、
壊れている証拠ではなく、
次の段階に入る前触れです。
人生は完成させるものではなく、
生成し続けるもの。
ある状態に留まることは、
静かな死。
けれど、
小さな更新を選ぶことは、
静かな再生です。
あなたは今、
止まる地点ではなく、
生成の途中にいる。
こころねセラピーは、
その生成のプロセスを伴走します。
静岡・沼津・三島・函南のこころねセラピー:秋山幸徳


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