1. 「ここまで頑張ってきたのに…」という違和感
仕事も家庭も、それなりにこなしてきた。
大きな失敗をしたわけでもない。
周りから見れば「ちゃんとした人生」です。
それなのに、ふとした瞬間に
「これが私の人生だったのかな」
そんな空虚さが胸をよぎることはありませんか?
若い頃は、とにかく必死でした。
・安定した収入
・周囲からの評価
・ちゃんとした立場
それを目指すのが「正解」だと、疑う余地もなかったはずです。
でも今、立ち止まってみると
“自分が何を大切にしたかったのか”が分からない
そんな感覚だけが残っている。
実はこの違和感、
あなたの弱さではなく、人生の設計図そのものの問題かもしれません。
2. 衝撃の事実:成功しても「自分軸」は育たない
ロチェスター大学の心理学研究(Niemiec, Ryan, & Deci, 2009)は、
人生の満足度を決めるのは
「どれだけ成功したか」ではなく
「どんな目標を追い続けてきたか」だと示しました。
研究では
・お金
・地位
・評価
・見た目
といった目標を 外発的目標 と呼びます。
これはまさに、
多くの中高年が「正しい」と教え込まれてきた価値観です。
ところが結果は、かなり残酷でした。
これらを実際に手に入れた人であっても、
幸福感はほとんど上がっていなかったのです。
(統計的にも「ほぼゼロ」という結果)
それどころか、
・不安
・抑うつ
・体の不調
といった「生きづらさ」は、むしろ増えていました。
「ちゃんと成功したはずなのに、苦しい」
それは、よくあることだったのです。
3. なぜ「頑張ってきた人ほど空虚になる」のか
外発的目標は、
本当はこう囁いています。
「これを達成すれば、あなたには価値がある」
つまり、
自分の存在価値を“外”に預け続ける生き方です。
評価され続けなければ不安になる
立場を失うことが怖い
誰かと比べていないと落ち着かない
だから、達成しても安心できない。
次の目標、次の不安がすぐにやってくる。
自分軸が育たないまま、
「役割」と「期待」だけが積み重なっていく。
これが、中高年に多い
理由の分からない虚無感や慢性的な疲れの正体です。
4. 一方で「満たされている人」が持っていたもの
同じ研究で、全く違う結果を示した人たちがいました。
彼らが追い求めていたのは
・人としての成長
・大切な人とのつながり
・誰かの役に立っている感覚
こうした 内発的目標 を大切にしていた人たちです。
この人たちは
人生の満足度が非常に高く、
不安や落ち込みも驚くほど少なかった。
重要なのは、
環境が恵まれていたからではないという点です。
彼らは
「自分はどう生きたいか」
という問いを、人生の中心に置いていただけなのです。
5. 幸福を支える「3つの心の栄養素」
自己決定理論では、人が満たされるために必要なものは
次の3つだとされています。
- 自律性:自分で選んで生きている感覚
- 有能性:自分なりに役に立てているという実感
- 関係性:誰かと本当に繋がっている感覚
内発的目標は、
この3つを自然に満たしてくれます。
逆に、
外から与えられた「成功の型」だけを追う人生は
心を満たさないまま、消耗だけが進みます。
どれだけ立派な人生に見えても、
内側が栄養失調になってしまうのです。
6. 結論:「これから先」をどう生きるか
もし今、あなたが
「何のために頑張ってきたのか分からない」
そう感じているなら。
それは、人生を間違えたからではありません。
自分軸を育てる教育を、誰からも教わらなかっただけです。
これからの目標は、
もう「証明」や「評価」のためでなくていい。
- 何をしている時、心が少し緩むか
- 誰といる時、自分でいられるか
- 何ができたら、静かに誇れるか
その問いこそが、
失われていた自分軸を取り戻す入口になります。
最後に、静かな問いを置いて終わります。
もし明日、
これまで追い続けた目標をすべて達成したとして。
そのときのあなたは、
「自分として生きている」と胸を張れるでしょうか?
ここから先の人生は、
まだ、ちゃんと選び直せます。
静岡・沼津・三島・函南のこころねセラピー:秋山幸徳


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