医学は本当に科学なのか? ―「変わり続けるいのち」と科学の限界

目次

1.科学とは何か

「科学的に証明された」「エビデンスがある」――
現代では、この言葉が“真実の証”のように扱われています。
けれど、そもそも科学とは何でしょうか。

科学とは、本来「一定の条件下で同じ結果を再現できる」ことを確かめ、
その再現性をもとに法則や原理を導き出す学問体系です。
つまり、再現性こそが科学の核心です。

たとえば、ある化学反応を100回繰り返しても同じ結果が得られるなら、それは“科学的”と呼べます。
しかし、条件が変われば結果が変わるなら、それは科学の枠から外れます。


2.変化し続ける人体は「同じ条件」にできない

では、その前提を人間の身体に当てはめるとどうでしょうか。
体温、血流、ホルモン、神経活動、感情、思考――すべてが常に変化しています。

人間の身体は、1秒たりとも同じ状態を保たない動的なシステムです。
呼吸ひとつで酸素量も心拍も変わり、感情の動きひとつでホルモンが分泌される。
つまり、人体という実験対象は“再現できない”存在なのです。

科学の定義に照らすなら、
人体を扱う医学は“完全な科学”ではなく、
科学的手法を部分的に借りている実践学に近いと言えるでしょう。


3.医学は「科学+経験+人間理解」の融合体

現代医学は確かに科学的要素を持ちます。
臨床試験、データ解析、疫学研究――どれも再現性を重んじる手法です。

しかし、実際の臨床現場では、
同じ薬を同じ量で処方しても、患者によって効き方がまったく違います。
ある人にはよく効き、別の人には副作用が出る。
その差を埋めるのは、医師や治療者の“経験”と“感性”です。

つまり、医学は**「科学的法則」だけでは説明できない“個”のいのち**を扱う領域。
科学の枠を超えた“アート(技芸)”の側面をもっています。


4.科学は「絶対的な真実」ではない

それでも私たちは、「科学が言っているから正しい」と思い込みがちです。
しかし、科学とは**「一定条件下でのみ成立する仮説」**にすぎません。
条件が変われば、真実も変わるのです。

実際、科学の歴史を振り返ると、
“正しい”とされてきた理論が何度も覆ってきました。
いくつか代表的な例を挙げてみましょう。


5.科学の「常識」がくつがえってきた実例

① 天動説から地動説へ

古代の人々は、「地球が宇宙の中心で、太陽が回っている」と信じていました。
それがコペルニクスやガリレオの観測によって、
**「地球が太陽のまわりを回っている」**という地動説へと転換。
かつての“常識”は完全に覆されました。


② ニュートン力学から量子力学へ

17世紀、ニュートンが打ち立てた運動の法則は、
宇宙からリンゴの落下まで、あらゆる現象を説明できると信じられていました。
しかし20世紀に入ると、原子や光のような極小の世界ではその法則が通用しないことが分かり、
量子力学という新しい枠組みが生まれました。

つまり、「科学的に正しい」と思われていた法則は、
条件が変われば成立しない――それが科学の本質なのです。


③ 胃潰瘍の原因説の変化

かつて医学では、「胃潰瘍はストレスや食生活の乱れが原因」と教えられていました。
ところが1980年代に、オーストラリアの医師マーシャルとウォレンが
ピロリ菌が主な原因であることを発見し、世界中の常識が覆りました。
後にノーベル賞を受賞したこの発見は、
「科学的真実」がいかに時代によって変わるかを象徴しています。

今では、ストレスもピロリ菌も相互に関わる複合的要因とされています。
つまり、**どちらも“正しい”が、“一面的では足りない”**ということです。


④ 「脳は変わらない」から「脳は変わり続ける」へ

かつては、「脳の神経細胞は再生しない」「脳の構造は固定的」と信じられていました。
ところがMRIや神経科学の進歩により、
**脳は生涯を通じて再構築し、変化し続ける(脳の可塑性)**ことが明らかに。
リハビリや瞑想、心理療法が科学的に支持されるようになったのもこの流れからです。


⑤ 免疫と心のつながり

免疫は昔、「体の物理的な防御機構」とだけ考えられていました。
しかし今では、ストレスや感情、思考の状態が免疫に大きく影響することがわかっています。
「心身相関」や「精神神経免疫学」という新しい分野が、
科学の中に“心”を取り戻しつつあります。


6.科学は更新され続ける“仮説体系”

これらの例に共通しているのは、
どれも当時は「科学的に正しい」と信じられていたことが、
やがて新しい条件・技術・観点のもとで書き換えられたという点です。

つまり、科学とは**「変化する世界を、いまの人間の知恵で一時的に理解している体系」**にすぎません。
不変の真理ではなく、常に修正と更新を繰り返すもの。
それは、科学が「完全」ではなく「成長し続ける途中の学問」であることを意味します。


7.いのちは再現できない奇跡の連続

科学が扱うのは「再現できる現象」ですが、
**いのちは二度と再現できない“瞬間の奇跡”**です。

心臓の鼓動も、呼吸のリズムも、涙を流すその感情も、
すべては「いま・ここ」でしか存在しません。
だからこそ、癒しや祈り、愛や希望といった“見えない力”が
人を生かし、変えていくのです。

科学では測れないけれど、確かに存在する。
そこに、いのちの尊厳が宿っています。


8.結びに ― 科学の外にある“いのちへの敬意”へ

医学が科学であるかどうかを問うことは、
私たちが「いのちをどう理解するか」を問い直すことでもあります。

科学は、変化を“測る”道具。
しかし、変化そのものを“受け入れる”のは、心の働きです。
それは、宗教に属さない意味での“信仰的理解”――
つまり「いのちを信じる姿勢」とも言えます。

これからの癒しは、科学とスピリチュアル(いのちへの敬意)が手を取り合うことで、
より人間的で深いものになっていくでしょう。


科学は、いのちの一部を理解する。
けれど、いのちは科学を超えて生きている。

私たちは、その“超える力”の中にこそ、
本当の治癒や魂の安らぎを見出していくのだと思います。

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この記事を書いた人

心と体を同時に癒し、あなたらしい人生を取り戻すお手伝いをしています。
子どもの頃、父の厳しいしつけの中で寂しさや孤独感を抱えながら育ち、20代では10年続く慢性腰痛に苦しみました。
しかし、たった1回の心理療法で痛みが消え、同時に心のブロックも解放され「このままでいい」という安心感に包まれた経験が、私の人生を変えました。
その体験をもとに、独自開発の感情開放ボディーワーク、オンサ心理療法、チャクラヒーリングを組み合わせ、平均1〜3回のセッションで心身の不調や慢性痛にアプローチしています。
あのとき私が感じた“解放感と安心感”を、今度は多くの人に届けたい——それが、私の活動の原動力です。

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