第5回(最終回)痛みは敵ではない ー 慢性痛の「意味」を読み解く

ここまで、私たちは次のことを見てきました。

  • 痛みは「壊れている証拠」とは限らない
  • 慢性痛は“危険モードが固定された状態”である
  • 内受容感覚は身体の翻訳機である
  • 安心が神経のスイッチを切り替える

では、最後の問いです。

それでも、なぜあなたの身体は痛み続けているのか?

今日は、慢性痛を“消す対象”から“読み解く対象”へと視点を変えます。

目次

1. 痛みはメッセージか、それとも誤作動か

慢性痛を語るとき、極端な2つの立場があります。

  • 「全部ストレスのせい」
  • 「完全に神経の誤作動」

どちらも一部は正しい。
しかし、どちらか一方では不十分です。

痛みは確かに神経の防御反応です。
同時に、それはあなたの人生の履歴とも深く結びついています。

身体は出来事を覚えています。

言葉にされなかった緊張
飲み込んだ怒り
無理を続けた責任感

それらは筋緊張、自律神経パターン、呼吸様式として残ります。

慢性痛は、単なる故障ではなく、
長期適応の結果なのです。

2. 痛みは「守り」の形

ここで重要なのはこの視点です。

痛みはあなたを傷つけるためにあるのではなく、守るためにある。

例えば:

  • 動きすぎないように止める
  • 無理をしすぎないようにブレーキをかける
  • 本音から目を逸らさせない

痛みは、あなたの生き方に対する「過剰な防御」かもしれません。

特に慢性痛を抱える方に多い特徴があります。

  • 真面目
  • 我慢強い
  • 人を優先する
  • 弱音を吐かない

そういう人ほど、身体が代わりに叫びます。

「もう限界だよ」と。

3. 痛みを敵にすると、神経は硬直する

多くの人がこう考えます。

「この痛みさえなければ」

でも、痛みを敵と認識すると何が起きるか。

  • 扁桃体が警戒する
  • 交感神経が活性化する
  • 筋緊張が上がる
  • 痛覚閾値が下がる

つまり、
戦うほど痛みは強化される

ここで必要なのは逆の姿勢です。

痛みを分析するのではなく、
まず「何を守っているのか?」と問い直す。

4. 痛みの奥にある問い

慢性痛のセッションでは、
次のような問いが現れます。

  • 本当は休みたいのでは?
  • 本当は怒っているのでは?
  • 本当は怖いのでは?

身体は言語化されない感情を翻訳します。

内受容感覚が整うと、
痛みの奥にある微細な感情が見えてきます。

「ただ痛い」から
「少し不安」「少し寂しい」へ。

解像度が上がると、
痛みは純粋な苦痛から、
意味のあるサインへと変わります。

5. 回復とは、痛みがゼロになることではない

重要なことを言います。

回復とは、

痛みが完全に消えることではなく、
痛みに怯えなくなることです。

神経が安全を学習すると、

  • 痛みが出ても過剰反応しない
  • 回復が早くなる
  • 波が小さくなる

そしてある日、
気づくと生活の中心から痛みが降りています。

消すのではなく、
役割を終えさせる。

それが慢性痛の終わり方です。


6. あなたの身体は、敵ではなかった

ここまで読んでくださったあなたへ。

あなたの身体は、
壊れていたのではありません。

守り続けてきただけです。

緊張し、痛み、止めようとし、
それでも日常を支えてきました。

その努力をまず認めること。

それが、最後のスイッチです。

7. この連載の核心

この連載で伝えたかったことは一つです。

身体はこころを生み出し、
こころは身体を変える。

そしてその接点にあるのが、
内受容感覚という「翻訳機」。

翻訳精度が上がると、
痛みは敵ではなくなります。

あなたの身体は、
これからもあなたの味方です。

その声を、
もう一度信頼できるようになること。

それが、慢性痛の本当の回復です。

静岡・沼津・三島・函南のこころねセラピー:秋山幸徳

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

心と体を同時に癒し、あなたらしい人生を取り戻すお手伝いをしています。
子どもの頃、父の厳しいしつけの中で寂しさや孤独感を抱えながら育ち、20代では10年続く慢性腰痛に苦しみました。
しかし、たった1回の心理療法で痛みが消え、同時に心のブロックも解放され「このままでいい」という安心感に包まれた経験が、私の人生を変えました。
その体験をもとに、独自開発の感情開放ボディーワーク、オンサ心理療法、チャクラヒーリングを組み合わせ、平均1〜3回のセッションで心身の不調や慢性痛にアプローチしています。
あのとき私が感じた“解放感と安心感”を、今度は多くの人に届けたい——それが、私の活動の原動力です。

コメント

コメントする

目次