こんにちは。
静岡・沼津・三島・函南で、心と体の両方から慢性痛と向き合っている
こころねセラピーの秋山幸徳です。
ここに来られる40代・50代の方の多くが、こんなことをおっしゃいます。
- 検査では「異常なし」と言われた
- もう治っているはずなのに、痛みだけが残っている
- 周りには「気にしすぎ」と言われ、相談できなくなった
そして、もう一つよく聞く言葉があります。
「自分でも、何がつらいのか分からないんです」
今日はそんなあなたに、
「慢性痛はあなたの性格の問題でも、気のせいでもない」
というお話を、できるだけ分かりやすくお伝えします。
慢性痛は「治りきらなかった怪我」ではありません
まず大切なことからお伝えします。
慢性痛は、
「長引いているだけの痛み」ではありません。
医学的には、
✔ 怪我や炎症が治る期間(約3か月)を過ぎても続く痛み
✔ 体を守る役割をすでに終えた痛み
これは、一つの「独立した病気」として扱われています。
よく例えられるのが、こういう状態です。
火はもう消えているのに、
火災報知器だけが鳴り続けている
体そのものよりも、
「痛みを判断する脳のシステム」が過敏になっている状態です。
脳は「痛み」を覚えてしまうことがある
長い間、我慢を続けてきた方ほど、
脳は一生懸命に働き続けます。
- 痛みを感じないように
- 生活を回すために
- 周囲に迷惑をかけないために
ところが、痛みが繰り返されると、
脳はこう学習してしまいます。
「この刺激は危険だ」
「いつでも警戒しておこう」
これを中枢性感作と呼びます。
難しく聞こえますが、要は
脳の警戒レベルが下がらなくなった状態です。
だから、
- 触れただけで痛い
- 動くのが怖い
- 何もしていなくても痛む
ということが起きてしまいます。
「自分のことは後回し」が脳に残した痕跡
ここで、とても大切な話をします。
慢性痛の方の多くは、
「ずっと自分を後回しにしてきた人生」を歩んでいます。
- 家族のため
- 仕事のため
- 期待に応えるため
そうやって頑張るうちに、
- 「つらい」と言えなくなった
- 「これくらい我慢しないと」と思うようになった
- 常に最悪を想定する癖がついた
これを医学では
破局的思考と呼びます。
これは性格ではありません。
長年の環境が、脳に刻み込んだ反応パターンです。
この状態が続くと、脳では
- ストレスホルモンが増える
- 痛みを抑える物質が減る
- 喜びを感じる回路が沈黙する
という変化が起こります。
「楽しいことが分からない」
「何をしたいのか分からない」
それは、あなたの心が壊れたからではなく、
脳が疲れ切ってしまった結果なのです。
希望の話をします。脳は元に戻ります
ここで、必ず知っておいてほしい事実があります。
慢性痛で変化した脳は、
元に戻ることが分かっています。
カナダのマギル大学の研究では、
- 慢性腰痛の人の脳では
- 「考える・判断する・意欲を持つ」部分が痩せていた
しかし、
- 痛みが軽減すると
- 半年ほどで、その脳の厚みが回復した
という結果が出ています。
つまり、
痛みが減る → 脳が回復する
脳が回復する → 生きる力が戻る
この流れは、科学的に確認されているのです。
ゴールは「痛みゼロ」ではありません
こころねセラピーで大切にしているのは、
「痛みを消す」より「生き方を取り戻す」ことです。
慢性痛の回復には、
多くの方が次の段階を通ります。
- なぜ痛いのか分からず不安な時期
- 痛み中心の生活になってしまう時期
- 痛みと付き合いながら、自分を取り戻す時期
最後の段階で大切なのは、
- 痛みがあっても
- 自分にとって大切なことを少しずつ再開する
このプロセスが、
脳の「司令塔」を目覚めさせていきます。
最後に:あなたの痛みは、あなたを守ってきた
慢性痛は、
あなたが弱いから起きたものではありません。
それは、
- 無理を重ね
- 自分を抑え
- 誰かのために生きてきた
あなたの脳が、必死に守ろうとした結果です。
だからこそ、これから必要なのは
「戦うこと」ではなく、
「安心していいよ」と
自分の脳に伝えてあげること
今日から、ほんの小さくで構いません。
- 本当は何が嫌だったのか
- 本当は何を大切にしたかったのか
その問いを、自分に向けてみてください。
それが、
止まらなかった警報を静かにする、最初の合図になります。
あなたの脳は、
今この瞬間からでも、変わり始めます。


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