脳科学が解明する「利他」と「幸福」の意外な関係

愛知県岡崎市の生理学研究所では、非常に興味深い研究が進められています。それは、「人間は利他行動によって、恋愛などよりもずっと大きな快感を得ているのではないか」という仮説です。

最新の脳科学は、私たちの脳が「他者との共生」を強く志向していることを明らかにしつつあります。この鍵を握るのが、私たちの脳に備わった「社会脳」と呼ばれる回路です。

「社会脳」がもたらす自己監視とストレスの仕組み

社会脳には、自分の行動を逐一観察し、「その行動が社会的に正しいかどうか」を判断して調整する機能があります。

例えば、誰かに対して怒り、妬み、恐れ、不安といったネガティブな感情を抱いたとき、社会脳はそれを「あまり良くないこと」と認識します。すると、脳内ではストレス物質であるコルチゾールが分泌されます。

  • コルチゾールの役割とリスク
    • 本来は血糖値を維持し、危急の事態に備える必須のホルモン。
    • しかし過剰に分泌されると、記憶の中枢である**「海馬」を萎縮させる**ことがわかっています。

つまり、他者への負の感情は、回り回って自分自身の脳(記憶回路)にダメージを与えてしまうのです。

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報酬は「他人の評価」だけではない

一方で、他者から褒められたり良い評価を受けたりする「社会的報酬」を得ると、脳内の線条体(せんじょうたい)という快感に関わる部位が活性化します。これは金銭的報酬を得たときと同じ反応です。

ここで重要なのは、「他者からの評価がなくても幸福感は得られる」という点です。

自らの社会脳が下す「すばらしい」という自己評価

誰かに褒められなくても、自ら利他的な行動をとったとき、自分自身の社会脳がその行動を「すばらしい」と評価します。これによって、外部の評価に依存することなく、非常に大きな幸福感がもたらされるのです。私たちの脳は、「他人を利すること=自分の幸福」となるように、あらかじめ設計されていると言えます。

人類最大の武器となった「助け合いの脳」

地球の長い歴史の中で、数え切れないほどの生物種が絶滅してきました。その中で、肉体的に非力な人間がなぜ生き残り、繁栄できたのでしょうか。

  • 個体としての弱さ: 逃げ足は遅く、猛獣に立ち向かう力もありません。
  • 唯一の武器: 他の動物種を圧倒して発達した「脳」です。

互いに助け合う「利他の行動」に快感を覚え、それを率先して行わせる脳。これこそが、人類が過酷な自然界を生き延びるための唯一にして最強の武器だったのです。

現代人が抱える「脳の使い方の間違い」

ごく一部の聖者を除き、現代を生きる私たちの多くは、この「利他を指向する脳」を、皮肉にも「自分を利するため(利己)」に使ってしまっています。

脳が本来持っている「他者のために働くことで最高のパフォーマンスを発揮する」という機能を無視し、自分だけの利益を優先させる。こうした脳の使い方のミスマッチこそが、現代人が抱える痛みや病気の根本的な原因の一つであると考えられます。

静岡、沼津・三島・函南のこころねセラピー:秋山幸徳

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この記事を書いた人

心と体を同時に癒し、あなたらしい人生を取り戻すお手伝いをしています。
子どもの頃、父の厳しいしつけの中で寂しさや孤独感を抱えながら育ち、20代では10年続く慢性腰痛に苦しみました。
しかし、たった1回の心理療法で痛みが消え、同時に心のブロックも解放され「このままでいい」という安心感に包まれた経験が、私の人生を変えました。
その体験をもとに、独自開発の感情開放ボディーワーク、オンサ心理療法、チャクラヒーリングを組み合わせ、平均1〜3回のセッションで心身の不調や慢性痛にアプローチしています。
あのとき私が感じた“解放感と安心感”を、今度は多くの人に届けたい——それが、私の活動の原動力です。

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