「頑張っているのに、なぜ心も社会も苦しくなるのか?」
――SDGsでも政府主導でも埋まらない違和感の正体と、次の世代へ責任を持つ生き方
「ちゃんとやっているはずなのに、なぜ苦しさは増えているのか」
環境に配慮し、SDGsを意識し、政府の方針にも従っている。
それなのに、私たちの暮らしはなぜか楽にならず、心はどこか疲弊したままです。
物価は上がり、将来への不安は消えず、自然災害は激しさを増し、社会全体が「余裕」を失っているように感じませんか。
実はこの違和感には、はっきりとした理由があります。
それは──SDGsも政府のリーダーシップも、根本では「経済成長を社会の目標とするシステム」の上に成り立っているからです。
SDGsも政府政策も否定しない。しかし「限界」がある
まず誤解のないようにお伝えします。
この記事は、SDGsや政府の取り組みを否定するものではありません。
それらは確かに必要であり、多くの善意と努力によって支えられています。
しかし問題は、その土台となっている価値観にあります。
SDGsの多くの目標をよく見てみると、
- 持続可能な経済成長
- 包摂的な成長
- イノベーションによる発展
といった言葉が並んでいます。
つまり、「成長し続けること」そのものは疑われていないのです。
政府の政策も同様です。
景気対策、成長戦略、GDPの拡大。
社会を良くするために、経済成長は前提条件として扱われています。
経済成長を社会目標にしたシステムの本質的な問題
経済成長を社会の最上位目標にすると、必ず起こることがあります。
1. 人の価値が「生産性」で測られる
どれだけ稼げるか
どれだけ役に立つか
どれだけ成果を出すか
これらが、人の存在価値と無意識に結びついていきます。
その結果、
- 休むことへの罪悪感
- 役に立てない自分への自己否定
- 比較と競争による心の消耗
が社会全体に広がります。
2. 自然と心が「資源」になる
自然は守る対象であると同時に、
「いかに効率よく使うか」という視点からも見られます。
同じことが人の心にも起きています。
ストレスをどう管理するか
メンタルをどう回復させて、また働かせるか
心ですら、経済活動を続けるための部品のように扱われてしまうのです。
本当の持続可能性とは「システム」ではなく「人の在り方」から始まる
ここで、視点を大きく変える必要があります。
持続可能な社会とは、
- 正しいルールがあること
- 優れた政策があること
だけで実現するものではありません。
それらを生み出し、使う「人間の在り方」そのものが持続可能でなければ、社会も続かないのです。
つまり問われているのは、
私は、何のために生きているのか
私の本当の役割とは何か
という、極めて個人的で、しかし社会全体に直結する問いです。
「真の自分の役割」を知るということ
真の役割とは、
肩書きでも、収入でも、社会的評価でもありません。
それは、
- 自分が自然にできること
- 無理をしなくても誰かの助けになること
- 生きているだけで、周囲に影響を与えている在り方
こうした存在レベルの役割です。
この役割に気づいた人は、
「もっと稼がなければ価値がない」という呪縛から少しずつ自由になります。
そして、
- 助けること
- 助けられること
- 分かち合うこと
を、取引ではなく自然な循環として受け取れるようになります。
心の成長と物質的な豊かさは「対立しない」
よくある誤解があります。
心を大切にすると、物質的には貧しくなるのでは?
実際は逆です。
心の成長とは、
- 足るを知ること
- 必要と欲望を見分けること
- 他者とのつながりを実感すること
です。
これが育つと、
- 無意味な消費が減り
- 奪い合いが減り
- 本当に必要なものにだけお金が使われる
結果として、社会全体の豊かさは安定し、持続可能になるのです。
覚悟が必要な理由|「誰かが変えてくれる社会」はもう終わった
ここで、あえて厳しいことを言います。
この転換は、
政府にも
制度にも
専門家にも
丸投げできません。
なぜなら、経済成長を前提とした社会を維持してきたのは、
私たち一人ひとりの選択の積み重ねだからです。
便利さを選び
早さを選び
効率を選び
考えないことを選んできた
その結果が、今の社会です。
だからこそ、
- 自分の役割を知る
- 助け合うことを選ぶ
- 心の成長を人生の中心に据える
という選択には、覚悟が必要になります。
孫の世代に何を手渡すのか
もしこのまま、
「経済成長こそ正義」という価値観を変えなければ、
私たちの孫の世代は、
- より壊れた自然
- より分断された社会
- より疲れ切った人間関係
を引き継ぐことになるでしょう。
一方で、今ここから、
- 自分の役割に目を向け
- 心の成長を大切にし
- 小さな助け合いを積み重ねる
社会へと舵を切ることができれば、
完璧ではなくても、
**「人として安心して生きられる世界」**を手渡すことは可能です。
おわりに|持続可能な社会は「生き方の選択」から始まる
持続可能な社会とは、
制度やスローガンの問題ではありません。
それは、
今日、私はどんな価値観で生きるのか
という、静かで個人的な選択の集合体です。
経済成長を否定するのではなく、
それを人生の目的から降ろす。
その勇気ある選択こそが、
本当の意味での持続可能な社会への第一歩なのです。
こころねセラピーが大切にしていること|社会を変える前に「心の土台」を整える
こころねセラピーでは、
社会を変えようとする前に、まず一人ひとりの心の土台に目を向けます。
なぜなら、
不安や恐れ、自己否定を抱えたままでは、
どれほど立派な理念を掲げても、
私たちは無意識に「競争」や「成長至上主義」に引き戻されてしまうからです。
こころねセラピーが目指しているのは、
- 役に立たなくても存在していい
- 頑張れない自分にも価値がある
- 誰かに頼ってもいい
そう心から感じられる内側の安全基地を育てることです。
この心の土台が整ってはじめて、
- 自分の本当の役割に気づき
- 無理のない助け合いが生まれ
- 心の成長と物質的な豊かさが自然に両立する
生き方へと移行していくことができます。
持続可能な社会とは、
遠くの未来に完成する理想郷ではありません。
今この瞬間、あなた自身の心の在り方から静かに始まっていくものです。
もしあなたが、
「このままの価値観で生き続けていいのだろうか」
「社会を変えたい気持ちと、自分が疲れている現実との間で揺れている」
そう感じているなら、
まずは自分の心を立て直すことから始めてみてください。
それは決して、逃げでも諦めでもありません。
次の世代に手渡す社会を、本気で考えている人だけが選ぶ、最も誠実な一歩なのです。


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