静岡・沼津・三島・函南のーこころねセラピー・セラピストより
多くの人々が日々、人間関係の中で「自分を抑える」ことで周囲を守ろうとしています。
たとえば、
- これ以上揉めたら相手が傷ついてしまう
- 私が感情的になったと思われたくない
- 強く見られたい、弱い自分を出したくない
そんな思いから、本当の気持ちを胸の奥に押し込めてしまうことはありませんか?
その気遣いは、あなたの優しさが生んだ“防衛本能”。
長年頑張り続けてきた女性ならなおさら、自然に身についている処世術かもしれません。
でも――その沈黙や冷静さが、本当に相手のためになっているのでしょうか?
心理学の研究は、私たちの直感とは逆の現実を示しています。
特に、2003年のバトラー(Butler)らの研究は、「感情の抑制」が人間関係にどれほど影響するかを明らかにしました。
この記事では、こころねセラピーの視点から、
その研究でわかった3つの大切な真実を、やさしく解説します。
1. あなたが感情を抑えると、相手のストレスが上がってしまう
まず最初にお伝えしたいのは、
あなたが感情を抑えた瞬間、相手のストレスが生理的に上昇するという事実です。
バトラーらの研究では、
感情を隠すように指示された人と会話した相手の心拍数・血圧が上昇し、
「原因のわからない不安」や「居心地の悪さ」を感じたと報告されています。
あなたが場を荒立てたくないと思って静かにしているだけなのに、
相手の身体は緊張し、ストレス状態に入ってしまうのです。
これは、相手が無意識にあなたの“感情の不在”を察知し、
「何かがおかしい…」と混乱するために起こる反応です。
つまり、
あなたの心の負担は、静かに相手へも伝播し、二人の身体に影響するということなのです。
2. 「よそよそしい」「協力的でない」という印象を与えてしまう
感情を抑えることは、中立的な振る舞いではありません。
むしろ、
相手から“拒絶”や“距離”として受け取られてしまう可能性があります。
表情が固くなったり、声のトーンが平坦になったりすると、
相手は「怒っているのかな」「私が何かしたのかな」と不安になります。
あなたが怒りや悲しみを隠しているつもりでも、
“感情が見えない”ということそのものが、相手にとっては強いメッセージになるのです。
このすれ違いは、
関係の緊張や誤解をさらに深めてしまう悪循環を招くこともあります。
3. 二人とも心拍数が上昇する「共有されたストレス」が起きる
研究ではさらに、
感情を抑えている本人だけでなく、その相手も同じように心拍数が上昇することが示されました。
つまり、
感情を抑えると、
あなた一人が我慢しているように見えて、実は 相手も一緒に身体が疲れていく のです。
これは、会話の中で感情が自由に流れないことで生じる
“隠れた身体的コスト”といえるでしょう。
感情の抑制は、あなた自身の問題として完結するのではなく、
**相手を巻き込む「共有された生理的体験」**となってしまうのです。
まとめ:感情表現は「相手のため」でもある
――我慢は、あなたの優しさ。でもその優しさが、二人を苦しくすることもある。
こころねセラピーでも日々多くの女性と向き合う中で、
「言わないほうが優しさだと思っていました」
という言葉を何度も聞いてきました。
でも、研究が教えてくれるのはこうです。
感情を抑える行為は、決して“自分の中だけ”で完結しない。
それは対人行為であり、相手にも心理的・身体的負担を生む。
このメカニズムは、心理学でいう「感情の共同調整(emotional co-regulation)」の一部。
人は無意識に互いの神経系に影響を与えながら生きているのです。
だからこそ、
感情を表現することは、あなたのためだけでなく、
相手の安心のためにも欠かせない行為 なのです。
次に大切な人と話すとき、
ほんの少しでも自分の本音を分かち合ってみてください。
あなたと相手の心も身体も、
きっとそれだけでふっと柔らかくなるはずです。


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